苦しかったときの話をしようか 著者;森岡毅

 TikTokでポイ活してたら、ビジネスマンが読むべき書籍の中にこの本が紹介されていた。苦しかった時の話か…。私にもそんなことが何度もあった。まぁ私の話は今後、機会があれば話そうかと思うのだが、森岡氏の「苦しかったときの話をしようか」の話をしよう。

 森岡氏はUSJをV字回復させたマーケティングのプロである。この本の趣旨は、近い将来社会人になろうとする娘に対するアドバイス(?)、メッセージ(?)、ちょっと聞いてほしい独り言(?)って感じである。娘は特にやりたいことが分からず、何かモヤモヤしている。森岡氏が心配になって声をかけ、将来のことを聞こうと寄り添うと衝突し、娘は遠ざかっていく。そして後悔…あと10年ぐらいすると私の娘もそうなるのだろうかと思うとこの本に夢中にならざるを得なかった。

「どのようにして私はアドバイスをしたらいいのだろうか?」

と。森岡氏はロジカル且つ戦略的な考え方をいろいろ書いてくれていたが、一番印象に残った内容は

「人の特性には3種類ある」

である。

  • Tの人(考えるのが好きな人)
  • Cの人(人とコミュニティーをとるのが好きな人)
  • Lの人(人を導いていくの好きな人)

分かるような、分からないような…。自分なりに一つ例を設定して考えてみた。

 パーティーを開催するとしよう。まずパーティーが好きではなく、あまり積極的になれない人は「Tの人」。いろんな人に出会えるからパーティーが好きならば「Cの人」。みんなに楽しんでもらうようパーティーを率先して企画するのが好きな人が「Lの人」ってところだろう。「Tの人」はパーティーが好きではないため、裏方の仕事に徹する事だろう。例えばパーティの採算とか。

 まずは自分自身がどのタイプなのかを見極めることが大切である。私は完全に「Tの人」である。しかもかなり偏食気味の「Tの人」だ。ベジタリアンではなく、ビーガンレベルだ。

 幸いにも私はかなり極端であるから、知らず知らずのうちに「Tの人」の役割に徹してきた。営業をほとんどせず、顧客対応に出来るだけ時間をかけた。ただ営業を全くしていないというわけではなく、顧客が多くの知り合いを紹介してくれた。

「その悩みがあるなら、良い人紹介してあげるよ」

って感じだろう。そして私は、紹介された人が顧客に

「良い人を紹介してくれてありがとう」

 と言ってもらえるぐらいちゃんと対応する。そうすれば次も紹介してもらいやすくなる。こんな感じで無意識のうちに私は苦手の営業を出来るだけ避け、顧客に任せていたことに気づいた。もっと早くこのことに気付き、意識的に行動していたらもっと自分のビジネスを拡大できたのかもしれないと思った。

 残念ながら「Cの人」「Lの人」の場合は、どうしたら良いのか私には分からない。なぜなら私は徹底した「Tの人」で、「Cの人」や「Lの人」の経験は皆無、もしくは経験してきたかもしれないが全く覚えていない。そのため何も語ることはできないし、森岡氏の言葉も全くイメージが出来ず、頭に入ってこない。仮に森岡氏の言葉を借りて、子供たちに伝えてもペラペラな事しか伝えられないであろう。そしてそのペラペラ感を見透かされ、きっと鼻で笑われるのがオチである。

 息子は現在中学3年生。高校受験の年である。自分の進路を初めて決める年でもある。森岡氏の娘とは違い社会人になるわけではないが、同じようなモヤモヤした気持ちでいることだろう。そして早ければ7年後には大学を卒業し、社会人になっていく。数字で考えると、そんな日がやってくる足音がドンドン近づいていることが身に染みて感じる。

「息子は私のアドバイスを聞いてくれるのだろうか?」

と最初の疑問に戻ってみる。そして結論に達した。

「ロジカル且つ戦略的なアドバイス以前に、息子に私のアドバイスを聞いて欲しいのであれば、私が息子にとって憧れる人間になっていることが一番重要である」

と。もうあまり時間はないが、息子が憧れる人間になりたいと思った。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です