鬼滅の刃 無限城編 第1章 猗窩座再来

 先月、家族で「劇場版 鬼滅の刃」を見に行った。この映画は2025年8月24日時点で既に280億円を超え、国内の歴代興行収入ランキングで現在3位。1位は「鬼滅の刃 無限列車編(約407億円)」、2位は「千と千尋の神隠し(約316億円)」だ。

 「何故見に行ったか?」私個人的にも興味はあったが、やはり子供が見たいと言ったのが大きな理由の一つだ。そして夏休み…今年は特に暑い。正直、出来るだけ外に出たくはない。様々な理由から、映画館の涼しいところで子供を満足させられるのであれば、もってこいネタバレ。

 映画の内容を説明すると「ネタバレ!!」と炎上する可能性があるため控えさせていただく。ん…?そもそも私のBlogを読んでいる人数は大したことないので、炎上なんて勝手な私の思い上がりかもしれない。ただ155分という長時間の中で、一番印象に残ったシーンだけ伝えさせていただきたい。

 一番印象に残ったシーンは「我妻善逸」と「獪岳(かいがく)」との戦闘シーンだ。「雷の呼吸 壱の型しか使えない善逸」と「雷の呼吸 壱の型だけ使えない獪岳」の戦い。

 獪岳は善逸の兄弟子であった。性格は悪いが、誰よりも努力し、雷の呼吸を習得しようとするが、どうしても壱の型だけは習得できなかった。そして最終的に獪岳は欲する強さを手に入れるため鬼になった。自分の弟子が鬼になってしまったため、お互いの師匠であった「じっちゃん」は自害してしまった。

 それに怒りを覚えている善逸は「雷の呼吸壱の型 霹靂一閃」を何度も繰り出すが、余裕でかわす獪岳。獪岳は「雷の呼吸弐の型」から順に攻撃を繰り出し善逸は押され気味。善逸、ピーーーーーンチ!!!

とうとう善逸は獪岳に押されて無限城を落下していく。それでも諦めない善逸。全集中の善逸…。そして最後に繰り出す最後の技、このシーンが個人的に大好きなのだ!

小さく流れるアップテンポな音楽。ピカピカと光る稲妻を彷彿させる善逸のオーラ。「必殺技が来るぞ、来るぞ、来るぞーーーー!!」って感情を掻き立てる。最後の技を繰り出す直前に善逸がこう言うのだ。

「ごめん、兄貴…」

憎いはずの獪岳に「ごめん」。憎い中にも善逸は獪岳を兄弟子として認めていたのであろう。きっと一緒に同じ釜の飯を食らい、強い剣士になりたいという目的で頑張ってきたという情がまだ残っていたのではないか。この善逸の優しさに触れ、私は感動した。そして繰り出された技によって、真っ暗な映画館が一瞬明るくなる映像。これは映画館でしか味わえないだろう。

不器用ながら一つのことだけを愚直に正攻法で磨き続ける善逸。基本は完璧に習得できていないが、器用にいろんなことを習得し、自分の欲しいものを得るためには手段を選ばない獪岳。これがぶつかり合う。

私は器用な人間ではなく、一度にマルチタスクをこなすことはできない。ただ一つのことを愚直にコツコツとやり続ける忍耐力はあると思っている。まさに善逸のような人間なのだ。私がこのシーンが好きな理由は、きっと私自身を善逸に投影したからであろう。視覚的にも、聴覚的にも、そして感情的にも震える秀逸なシーンであった。

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